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建築を設計する仲間たちと一緒に欠陥建築・欠陥住宅などによる紛争の解決のお手伝いをしています。 福岡建築住宅問題研究会のホームページはこちらへ>>> 私を含め皆さん通常の設計の仕事の合間に、調査依頼を受けて、調査に伺っています。 調査に行くと、建築という高価な買物でトラブルが発生し、建築の専門家を相手に素人が交渉するわけですから、言われた事に反論できず、すっかり困っている方々がほとんどです。 それだけに、われわれが調査し、問題の程度や、解決方法をお話しすると、安心されて喜んでいただけることが何より嬉しく思います。 欠陥建築・欠陥住宅を作らないためには、本当は、設計に時間をかけ、図面をしっかりと作成してもらい、図面が完成したら、設計会社とは資本的に無関係の建設会社に工事を発注し、工事の時にはしっかりと設計者に監理してもらう方法が一番良いと思います。 そうは言っても、設計事務所に設計を依頼して建築を建てる人は残念ながら、多くありません。 特に住宅では、一部の人のようです。 では、建設会社・工務店・ハウスメーカー・大工などに建築を発注する際に、どうすれば、紛争のリスクを少なくすることが出来るでしょうか。 |
調査に行った際に、よくある問題点、よく感じる点を下記にまとめてみました。 1~5を具体的に説明していきます。 1.工事契約書を作成する。工事契約書には、図面、内訳書、約款の3つを必ず添付してもらいましょう。 足りない場合は要求しましょう。請負会社には必ずあります。無ければ建築は建ちませんし、まだ書いてなければ書いてもらって、内容を説明してもらって、確認し納得して工事契約となります。 「内訳書」は、基礎工事、鉄筋工事、コンクリート工事、木工事・・・・・などのそれぞれの工事の合計に、経費がプラスされて総工事費になり、それに消費税が合計されて契約金額になりますが、この合計だけであれば、1~2枚で済みます。 「約款」は「民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款」などの雛形がありますので、それを使用するのが良いでしょう。そのまま利用する場合と、修正を加えて利用する場合があります。 契約書は、消費者と建設会社のためのものであり、後に問題が発生したときに、双方の主張のよりどころとなります。消費者にとってのみ必要なものではなく、建設会社にとっても、不必要なトラブルを未然に防ぐための重要なステップです。 また、消費者は、契約書の内容について納得できない場合や意味が分からない場合は、理解できるまで何度でも聞きましょう。 上記の図面や内訳書、約款を添付すると、契約書は結構な厚さになります。判りやすい為、あえて書きますが住宅で10mm位から、大きな建築になると10cm位になります。これらの添付を拒むような工事会社は、残念ながら良い会社とは言えません。他の工事会社を探しましょう。 ここで言う契約書というのは、工事請負契約書です。しかし、建築会社に建築や住宅を発注する際は、「○○○の敷地に、○○の用途の、床面積○○㎡の建築」をというように、依頼した段階では建築の中身が全く具体的ではないので、図面も無ければ、グレードも未定、そのため、工事費もせいぜい坪単価○○万円程度しか決まりません。 そのため、「図面」「内訳書」は添付することが出来ません。よって、まず、仮契約または、設計契約を建築会社と結び、設計が終わり工事内容がはっきりした段階で内訳明細をつけて工事請負契約を結ぶことになります。(実際はいろいろな問題を含んでいます) 2.工事中の変更は、変更の図面と変更増減見積を確認して決定する。建築主は図面を理解する専門家ではない事が一般的で、工事の途中に変更もやむを得ないでしょう。最後になって工事費のアップでもめないように、変更する際は、必ず、変更の図面と変更に対する増減の見積を作成してもらい、価格に納得できない場合は、価格交渉したり、変更の内容の検討をします。 3.確認申請書を保管しておく。都市計画区域外の規模の小さな建築以外は建築確認が必要です。建築・住宅問題の相談に行った時に、契約書や図面の確認をすると、契約書や確認申請書を持っていない方が少なくありません。 4.打合せ資料を保管しておく。建設会社・工務店・ハウスメーカーなどと設計の打合せの時に受け取った図面や書類などの資料は、打合せした日や、受け取った日を記入して竣工後も保管しておきましょう。設計の途中では、平面が随分変わるものです。変わってまた初めの頃の平面に戻ることもあります。 5.工事記録や不具合の様子の写真を撮っておく。地鎮祭、地盤改良、基礎工事、棟上、外壁や内装の下地工事・・・・・など要所要所で写真を撮っておきましょう。出来るだけ広角レンズで広い範囲を、いろいろな角度で(写っていない壁がないようにするのがベスト)撮影します。記念にもなりますし、写真を確認することで、工事中の下地がどのように施工されているか、竣工してしまうと仕上で隠れてしまい、見えなくなってしまう箇所の確認に役立ちます。 デジカメなど日付が記録されるものが、後からの、施工時期の確認に役立ちます。 不具合の内容が音に関する問題の場合や、写真では判り難いものはビデオを撮影しておくと良いでしょう。 以上、最低限、1~5は、やっておきましょう。何だ、あたりまえじゃないかと思われるかもしれませんが、調査に行くと、やっていないことが多いのです。逆に言うと、やっていないので、トラブルが発生しているのかもしれません。
紛争のリスクを少なくすることは、建築主だけでなく、建築会社にとってもとても重要なことで、建築主・建築会社双方にとって、これらはとても重要なことであると思います。 番外編・「おまかせ」はやってはいけない。・「ご近所だから」は要注意。 ・台風で瓦は飛んであたりまえか? |