大学を卒業し、菊竹清訓建築設計事務所で　菊竹先生に師事し、大分県マリンカルチャーセンターや島根県立美術館などを担当いたしました。
主に大型の建築、公共建築が多く、在籍中の９年間は日本各地を転々としながら、日々解決していかなければならない実務的な課題と、菊竹先生の高い目標設定の間で、必死に戦う毎日でした。
今の、デザイン的・技術的裏付けや発想の源は、この時代に菊竹先生や、諸先輩方々から教えていただいたり、見て盗んだものの積み重ねだと思っています。
敷地を読み解き、依頼者の希望を解析、コンセプトの検討、案と対案を作り比較検討、難解なパズルを解くような作業を通して、徐々にかたちが生み出され、肉付けされ、最終の建築になっていくプロセスを学びました。こうしたスタイルは、その後、私が建築を設計する上で、ベースとなっているものであります。
独立してからは、判断の主体が私となり、建築主の希望と予算という条件の狭間で、無から「かたち」を生み出すで、どの段階で「これでよし」と決断するか、また、ひとりよがりになっていないか常に自問自答しながら仕事をしています。