建築基準法の改正による耐震基準の強化は、これまで大地震が発生するたびに、被害状況により壊れやすい部分を壊れないように基準を改正し現在の基準になっています。
改正前に建てられた建築は、建築後に法律が強化されて現行法に適合しない耐震性の建築になっていて、法的に既存不適格と言います。
建築をそのまま使用するには基準に適合させる必要は法的にはありませんが、増築する、用途変更するなど確認申請が必要な改修をする場合、現行法に適合するように求められます。(そうならない方法もあります)
また、耐震改修促進法により一定規模以上の建築は耐震診断が求められます。
この他、大手の会社など「耐震性が劣るビル耐震診断していないビルへの入居はしない」という方針の会社もあるため、法的に耐震診断の必要がないビルでも耐震診断したり、適合するか否か、また不足する場合はどの程度不足しているのか知りたいということで診断を行う場合などがあります。
既存建築物の耐震性が現行法に適合するものか調査診断し、必要に応じて耐震補強を行います。
耐震診断・耐震改修 | |
改正耐震改修促進法
昭和56年5月31までに着工された建築(旧耐震基準の建築)の建築物の耐震化を促進するための法律です。 全ての旧基準建築物(住宅や小規模の建築含む)に、耐震診断及び必要に応じた耐震改修の努力義務が創設されました。 下記の1~3の建築物のように、不特定多数の人が利用する建築物などで一定規模以上(5000㎡以上、階数3以上など)の大規模な建築は、耐震診断しその結果を報告することが義務化され(2015年末を期限)、結果も公表されることとなりました。 そして、耐震診断・補強設計・耐震改修に要する費用の一部を国・自治体が補助するものとなっています。 耐震診断の補助金の割合は6分の5(83.3%)と高く、補助を得るには、有資格者「耐震診断資格者」による診断が必要です。16.7%の手出しが必要ですが補助金割合が高いので、診断が必要な建築は、この時期に耐震診断しておくことをお勧めします。 義務化の対象となる規模ですが、具体的には所管行政庁が1棟ごとに判断することとなっています。福岡県の場合、耐震診断の義務化の規模の分かれ目の5000㎡階数3ですが、これまでの増築により、新耐震建築と旧耐震建築が混在する建築の場合は、それが、申請上1棟なのか、棟が別棟なのかに関わらず、旧耐震建築の部分の床面積・階数だけで判断するようです。
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改正租税特別措置法・関係国土交通省告示(2014年4月1日より施行)
一定の質の高い増改築等が行われた中古住宅を取得した場合の登録免許税の税率が一般住宅特例より引き下げられる特例(0.1%、(本則2%、一般住宅特例0.3%))が創設されました。 また、耐震基準に適合しない中古住宅を取得し耐震改修工事を行った場合の住宅ローン減税等の適用も受けることが出来るようになりました。
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H26税制改正に伴う耐震改修税制(固定資産税)
改正耐震改修促進法により、耐震診断が義務付けられる建築物を耐震改修をした場合、固定資産税の減額措置を受けることができます。工事の翌年度分から2年度分の固定資産税について、 税額の2分の1を減額(ただし、補助対象改修工事に係る2.5%が限度)になります。建築士等による証明が必要です。 |
耐震改修工事を、設計と工事を分離して発注することのメリット | |
耐震改修工事は、下記のケース1のように工事会社に一括で発注することもありますが、 ケース2のように設計会社と工事会社に設計と工事を分離して発注することをお勧めします。 |
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その理由は、
(契約は複雑ではありません) 工事会社の選定、見積り、そして工事会社の決定から工事契約、さらに、工事監理から工事の完了までサポートします。 |